ひな祭りの歌 歌詞の意味間違えて覚えていない?

ひな祭りの歌といえば「うれしいひな祭り」ですね。

全曲分の歌詞とその意味、そして歌詞の間違いについてご紹介します。

ひな祭りの歌 歌詞 全曲

【1番】
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひな祭り

【2番】
お内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした ねえさまに
よく似た官女(かんじょ)の 白い顔

【3番】
金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒(しろざけ) めされたか
赤いお顔の 右大臣(うだいじん)

【4番】
着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひな祭り

ひな祭りの歌 歌詞の意味

歌詞の意味を順番に見ていきましょう。

◆まずは1番から。

「あかりをつけましょ ぼんぼりに」

ぼんぼりとはロウソク立ての一種です。
脚がついた提灯(ちょうちん)みたいな感じです。
漢字で書くと「雪洞」です。「せっとう」とも読みます。

ぼんぼりのロウソクに火をともすということです。

「お花をあげましょ 桃の花」

桃の花は、魔除けの為です。
子供の厄払いをして長寿を願うという意味があります。

「五人ばやしの 笛太鼓」

お囃子(おはやし)の5人です。
音楽を演奏して、場を引き立てます。

それぞれの役割は、向かって右側から、
謡(うたい) 笛(ふえ) 小鼓(こつづみ) 大鼓(おおつづみ) 太鼓(たいこ)です。

雛人形によっては、この能囃子の他に、
雅楽の楽器を持っている場合もあります。

雅楽の場合は、向かって右側から、
羯鼓(かっこ)、火焔太鼓(かえんだいこ)、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)です。

◆次に2番です。

「官女」とは
宮中に仕える女官です。
女性の身の回りのお世話をする役割です。

雛人形では三人官女ですね。
持っているものは、

向かって右側の官女が長柄(ながえ)、

中央が島台(しまだい)または三方(さんぽう)

左側が提子(ひさげ)です。

中央の官女のみ眉を剃り、お歯黒をつけているのが一般的です。

◆そして3番

「白酒」とは
蒸したもち米に、みりん、もしくは焼酎と米麹を混ぜて、
1ヶ月ていど熟成させたのちにすりつぶして作ります。
(現在は、法律上、家庭で作ってはいけません。)

甘酒とは別のものです。

「右大臣」とは
政務を統括する、上から三番目に偉い人です。
太政大臣、左大臣、右大臣という順番です。

雛人形では、向かって左側の若い方です。
お内裏様から見て右側なので右大臣というわけです。

◆最後に4番

「やよい」とは
漢字で弥生と書き、陰暦で3月を指します。
春になって草木がだんだんと芽吹いてくる様を意味しています。

ひな祭りの歌 歌詞の間違い

「うれしいひな祭り」の歌詞には、大きく2つ間違いがあります。

1つめ、

2番の、「お内裏様とおひな様」

お内裏様は、男雛と女雛の両方を指す言葉です。
お内裏様の意味を間違えています。

2つめ、

3番の、「赤いお顔の右大臣」

雛人形で、五人囃子の下の段に並んでいる二人のことだと思われます。
右側の人形の顔の方が赤いのが一般的です。

左大臣、右大臣は、お内裏様から見て、左右どちらに居るかということです。
ですから、左大臣(右)、右大臣(左)が正解です。

歌詞では、左大臣、右大臣の位置を間違えているのではないでしょうか。

また、そもそも雛人形には左大臣、右大臣はありません。

雛人形の五人囃子の下の段の二人は、
武官装束で、緋袍(五位)や黒袍(四位以上)をまとい、
弓や太刀を装備しているはずです。

公卿(くぎょう)が着ることがないものを着て、
持つはずのないものを持っているので、
大臣ではない、ということになります。

ちなみに、随身(ずいじん)だという人もいますが、
それにしては位が高過ぎてありえないため、
これまた違うようです。

まとめ

有名な良い歌ですが、歌詞の意味に間違いがあるのでちょっと注意したいところです。

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